■2004年11月28日(日)18:26
最近読んだ本
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『マヤ文字解読』(マイケル・D・コウ、創元社、2003) 500ほど前にマヤ文字が「発見」されて以来、 どのように解読が進んできたかをつづった本。 解読は順調には進んでこなかった。 それは、資料の少なさによる解読作業の難しさもさることながら、 むしろ解読を行う学者の無知や誤謬によるものが大きかったようだ。 たとえ誤っていたとしても、 主流となっている説を覆すのは色々と大変なんだろうねぇ 解読が急速に進むのは、1970年代,80年代以降で、つい最近のこと。 この時期以降、堰を切ったようにマヤ文字が解読されていく過程を見るのは興奮する。
面白かったのは、マヤにおける文字表記が、 日本における文字表記とよく似ていること。 つまり、漢字とかな文字のように、表語文字と表音文字との組み合わせなわけだ。 意外な接点にマヤ文字が身近に感じられる。 いつかちょっと覚えてみようと思う。
『ローマ人の物語(文庫版)8〜16』(新潮文庫、塩野七生、2004) 解説不要、塩野七生の代表作。 単行本では買わなかったけれど、 文庫化されて以来、集めているけれど、 正直あまり面白くない。 『チェーザレ・ボルジア』や「トルコ三部作」といった初期の作品に比べ、 どうも内容が薄く感じられる。
各時代のそれぞれの人物への思い入れが強いせいか、 話が出来すぎてしまっている。 歴史の結果に合うように人物像が作られている感がある。 果たしてカエサルは、本当に最初から帝政を目指していたのだろうか? 塩野七生によると、現状を正確に認識し、 先の先まで見通した英傑と言うことになってしまうが。 また、人物像に関して、著者の決めつけが目に付く。 書中にもよく書かかれている言葉を使うと 著者が見たいことだけを見せられている感じ。
『量子力学のからくり 幽霊波の正体』(講談社ブルーバックス、山田克也、2003) これまで概説書を何冊か読んできて、 あまりよく分からなかった量子論について、 さらに訳を分からなくしてくれた概説書。 でも面白い。 しかし分からん。 シュレーディンガーの波動方程式? 何をどう見ればいいのやら・・・。 | | |